Challenges to unmet diagnostic and therapeutic needs
「Beyond Angiography」は、Nissen教授(Cleveland Clinic)、Yock教授(Stanford University)をはじめとする米国の著名な学者たちによって設立された先進的な学会です。日本では1996年に山口徹先生、鈴木孝彦先生のもとでBeyond Angiography Japanが始動し、今回、第28回を迎えることになりました。
この学会は、その名の通り、血管造影法の限界を超える非侵襲的な診断技術に焦点を当てています。coronary CT、Cardiac MR、PET、血管内イメージング(IVUS、OCT/OFDI、NIRS-IVUS、血管内視鏡)、そして生理的な虚血の指標であるFFR, iFR, FFRCTといった最先端の手法を用い、これらの科学的根拠や臨床的有用性、安全性について深く掘り下げ、最新の知見を共有しています。これにより、虚血性心疾患の理解とカテーテル治療の進化に大きく寄与してきました。
今回のテーマは「Challenges to unmet diagnostic and therapeutic needs」で、新しい侵襲的および非侵襲的診断方法の開発と臨床応用に焦点を当てます。これらの技術をいかにして実際の診療に活かすか、適応と運用の課題、更なるニーズ、そして得られた情報を患者の治療にどのように活用するかなど、まだまだ多くの課題が残っています。放射線科医と循環器内科医二人で企画と運営を担当して、医師、コメディカル、開発企業を含む多くの職種に参加していただける企画を準備いたします。より精密な診断、患者中心の有機的な運用、今後の展開を広く議論する場としたいと考えています。
COVID-19パンデミックの収束に伴い、第28回Beyond Angiographyは対面およびWeb配信のハイブリッド形式での開催を決定しました。一般演題への応募は40件にも上り、4つの口頭発表セッションと2つのデジタルポスターセッションを構成しました。特に若手研究者からの応募が多く、口頭発表ではU-40セッションを2つ設けました。次世代の先生たちが革新的なアイデアを発表し、経験豊富なベテラン研究者と交流する絶好の機会になることを期待しています。
また、今回はベルギーOLV Aalstから、Physiology分野の世界的オピニオンリーダーであるCarlos Collet先生を招聘することができました。Collet教授は、CT-Guided PCI、PPG、CMDの評価など、PCIの発展に不可欠な分野において豊富な知識と経験を提供してくれることと思われます。彼の洞察は、日本のインターベンショナリストにとって非常に価値あるものになるでしょう。
本会の参加者がこの貴重な機会を最大限に活用し、最先端の研究成果を共有し、互いに学び合い、新たなインスピレーションを得ることを心より楽しみにしています。ぜひ、現地およびオンラインでの活発な議論を通じて、新しい知識と洞察を得ていただきたいと思います。
Beyond Angiography Japan XXVIII
大会長 天野 哲也(愛知医科大学)
副会長 宇都宮 大輔(横浜市立大学)